安全・安心研究センター 広瀬弘忠のブログ

災害の衝撃期の直後、生き延びた人々の間に喜びを分かち合ったり、自分よりもっと過酷な体験をした人達に手をさしのべる愛他行動が生まれる。

災害直後のこの時期を、災害後のユートピアと言うが、この種のサバイバル感情は長続きしない。

次第に、心身の不調を訴える人が多くみられるようになる。

これを災害症候群と言う。

この症状が、固定してPTSD(心的外傷後ストレス障害)につながっていく人もいる。

関東大震災や阪神大震災と、広島、長崎の原爆被爆(原爆投下も災害に含めた場合だが)を、災害の影響という観点から見ると、前者は体感型であり、災害衝撃期が短い、一方、後者は非体感型で、災害衝撃期が長く、かつ非限定的である。

影響は後者のほうがより深刻である。

広島・長崎の被曝者は、50年以上経っても、なお、自らを「ヒバクシャ」と規定する。

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